この世の中には『バカ』が存在する。
どうしようもないバカってやつが。
I try to say'I love you'
Writen by Patient No.324
今日、あいつにはわざと遅く帰って来い、と言ってある。
時間はたっぷり掛けなくてはいけない、今日だけは。
そうじゃないと準備が出来ない。
いつもと同じではいけない。
同じ感じの気構えだったらまたいつもの繰り返しで終わってしまう。
だから、今日は気合を入れるのだ。
躰は念を入れて洗った。
ちゃんと処理もした。何の? それは聞くだけ野暮ってもん。
切った直後って痛いらしいけど…
下らない想像の所為で顔面から火を吹いて、そのまま転がりたくなる。
その気持ちを抑えて、今日のために買っておいた『アレ』を履き、そして、やっぱり今日のために買っておいた『コレ』に着替える。
なにやってるんだろうね、アタシは。
すっごいバカ。
今日を逃したところで死にはしない。明日はちゃんと来る。
いつか、きっとアイツから…かもしれない。
けど、アタシは『してもらう』なんてシュミじゃない。
自分で奪い取らなきゃ。
だから、入念に準備する。
鏡の前で自分の姿を一々確認してみる。
笑ってみたり、頬を引っ張ってみたり、鼻の穴を広げてみたり…
行動が落ち着かない。
さっきから脳内麻薬が出っぱなしなのか、動悸が激しいような気がする。
何やってるんだろうね、アタシは。
恋は惚れたほうが負けと言う。
その通りかもしれない。
でも幸せになれば誰からも文句を言われる筋合いはない。
だからいいの。
アタシはあたしのやり方で行く。
独り言が多い。
高々この程度の『イベント』でここまで浮かれるアタシは多分まだ子供なんだろう。
アイツが帰ってくる時間まであと30分になった。
外はいい感じに暗くなってきてる。
化粧は完璧にした。っていっても口紅引いただけだけど。
完璧なアタシ(普段の努力の賜物だけど)には厚い化粧など必要ない。
ラベンダーの香水もつけた。
部屋にも香を焚いてみた。 慣れないけど、なんとなくいい感じかもしれない。
言ってる間にもう帰ってくるころ。
家の電気を全て消して、蝋燭に火を灯す。
温かく、鈍い光が部屋を照らす。
凄く、ぼーっとしてきた。
はしゃぎ過ぎで疲れたもかもしれない。
だが作戦は今からが山なんだから。
決戦は今から。
なにやってんだろうね、アタシ。
でもやってみたかったのだ。
って。
アイツ、びっくりするかな。
しなかったらブチ殺そう。
そして、倒れたところを襲ってやろう。
あ、家のベルが鳴った。
さて…
頑張るかな。
end.
PostScript:
メリーくりすまぁっす♪。 なんていいません。だってアタシは仏教徒(爆) ッてわけじゃないけど(つかアタシはバリバリの無神論者)。 読んでる人方々。誰かにプレゼントはあげましたか? アタシはあげました。銀細工が趣味なので、ペンダントです。恐ろしく時間と手間がかかってます、金も。普通ならやんないでしょう、んな面倒くさいこと。忙しいし、寝る時間欲しいし、バイク改造したいし、ツーリングしたいし。 なんでなんでしょうね、TVじゃクリスマス特集なんでやってまで大騒ぎ。このために起きる経済効果ってさて幾ら分あるんでしょう?ってくらい盛り上がってますよね。ちょっと不思議。 でも、そこまでやってあげたくなるってのもいいかもね。 アタシはイヤだけど。つーか、どーせ遠距離恋愛だから何も出来んしーっ 恋愛ってウザいけど、いいものかもね。 Patient No.324 |