吸収−Drain−




墓地。
その墓地の一角に喪服の少女がいる。
脳裏によぎる想いの女性−母親−
しかし、浮かんでくるのは母親を放棄してしまった母親。
人形を我が子と思いこんでいる女性を回顧するのみとなった。

「偉いのね、アスカちゃん。良いのよ?無理しなくても」

喪服を着た少女−アスカ−に対し、同情をぶつけるのはアスカの祖母か。

「良いの。私は泣かないの。私は自分で考えるの」

実の母親の死にたいして涙一つこぼさないアスカ。
この時アスカは既に4歳。
4歳にして自立を考えるほどの少女であった。




時は移り、アスカが14歳、すなわち2015年。

「聞こえる?アスカ」

エントリープラグ内にいるアスカに技術部主任赤木リツコの声がスピーカーから聞こえてくる。

「シンクロ率8も低下よ。いつも通り余計なことは考えずに・・・」
「やってるわよっ!」

苛立った声をあげる。
アスカはこの時を境に、エヴァに対するシンクロ率が下がり始めていた。
一時は60以上の成績を上げていたのだが。

「困ったわね・・・この余裕のない時に」

使徒の襲来が何時あるとも知れぬ中、初号機を凍結している今では戦力的に低下が否めない。

「やはりレイの零号機を優先させましょう。今は2機同時に修理できるほど余裕がないわ」

非情な決定を下すリツコ。




その日の夜。
久しぶりに3人そろった葛城家ダイニング。

「・・・・」

その空間に言葉は一切無い。

「・・・御馳走様」

ミサトに目を合わさず、何の感謝の念も込められていない言葉。
シンクロ率の低下がアスカに日常生活をも蝕んでいる。

「・・・・」

再び静寂が場を支配する。
しかし、その静寂をかき消す物が発生する。

ピリリリリリ・・・・

席を立ったアスカは電話にでようとしない。

「アスカ」

業を煮やしたミサトが命令を下す。

「イヤよ。どうせ加持さんからミサト宛のTELでしょ」
「・・・それは無いわ」

感情など何もない。
押し殺しているのだ。

ピリリリリ・・・・

誰も取らないのか、とうとうシンジが席を立った。

「あ〜ら、無敵のシンジ様にその様なこと」

嫌味が多分に込められた言葉にもシンジは反応せず、ただ電話にでる。
それに対してアスカはさらに苛立った。

「・・・・アスカ」

電話を持ってアスカの元へ行くシンジ。
それを見たアスカは惚(ほう)けてしまう。

「ドイツから国際電話。アスカに。お母さんから」
「・・・貸しなさいよっ!」

急に受話器を取るアスカ。
ドイツ語での久しぶりの会話をしている中、シンジはその光景をずっと眺めていた。

そしてその会話が終了したとき。

「良いな・・・家族の会話」
「ま、上っ面はね。ホントの母親じゃないし」

心底うらやましがっているシンジに対し、つい本音で返答してしまう。
それに気づいたアスカはシンジに言い放つ。

「・・・何でアンタにこんな事話さなきゃいけないのよっ!」
「ごめん」

そのまま、シンジとの会話を終了してしまう。
今日の疑似ではあるが、家族の会話はこれで終わってしまった。




時は移る。
場所はNERV本部、その一角。

「シンクログラフマイナス12.8。起動指数ぎりぎりです」

担当のマヤがアスカのシンクロ率に対し、言い放つ。
低下し始めより一週間すぎていた。

その低下具合にミサトはフォローを入れる。

「アスカ今日二日目なのよ」
「シンクロ率は身体の不調に左右されないわ。問題はもっと深層意識にあるのよ」

ミサトのフォローは何の意味もなさなかった。




そのアスカは女子トイレで苦痛の表情を浮かべている。

「女だからって何でこんな目に遭わなきゃいけないのよ・・・・子供なんていらないのに・・・」

下腹部を押さえ、さらに苦痛の表情を浮かべる。

「男には何で生理がないの・・・女だけに・・・・・・っ!」

アスカは一つ、結論を見つけてしまった。
彼女自身が勝手に決めた結論を。




その日の夜。
今では普通となってしまったミサトのNERV泊まり。
すなわち、葛城家にはシンジとアスカしかいない。

何の言葉もない夕食を終え、入浴を済ませ、二人は互いの部屋でくつろいでいる。
時間にして午後10時。

シャーッ

静まり返っていた葛城家に襖の開閉音が発する。
その音はアスカの部屋より発せられた音。

ぺたぺたぺた・・・・・

裸足のため、有機質の足音。
その足音はあるところで止まった。

シャーッ

シンジの部屋が開かれる。
S−DATで音楽を聴いていたシンジは急にベッドより飛び上がり、驚きの言葉を発した。

「ど・・・どうしたの・・・・アスカ」

無難な言葉。
だが、その言葉を無視してアスカはシンジのベッドに近づいてくる。
その表情に何の曇りもない。

「何・・・・アスカ・・・・」

少しばかり声がうわずっている。

「・・・・・・・・・・・・・・・・わ」
「えっ?・・・・何て?」

「アンタのシンクロ率、もらうわ」

ガバッ

シンジに飛びかかるアスカ。
両の腕を首に回した後、アスカは自分の口よりシンジの唾液を奪おうとする。

「んぐっ・・・んんんっ!!」

一瞬にしてシンジの思考回路はオーバーヒートしてしまったらしい。
以前にもキスはしたことがあった。
だが、それだけだった。
しかし今はそれ以上・・・アスカの舌の感触を得ている。
暴走するのは無理もない。

「ん・・・はぁはぁはぁ・・・・んんっ!」

いったん離された唇は再びアスカに奪われた。
そしてまたシンジの唾液をうばわんとする。

「・・・・ぷはっ!・・・・・な、何で?」
「言ったでしょう?アンタのシンクロ率をもらうって」
「な、何のことだよ・・・もらうって・・・」
「そう、もらうの。アタシは分かったわ。何でシンジがシンクロ率が高くてアタシが下がっていくのか」

舌なめずりをするアスカに少しばかりの恐怖を感じるシンジ。
彼の口は唾液でべとべとになっている。
拭おうともしない。

「女は生理で排卵する・・・それがシンクロ率低下の理由よ。大人がエヴァにシンクロできないのもその理由から」
「そんな・・・・違うよっ!」
「そして男はそのシンクロ率を保っている。アンタは特にね。だから・・・奪うの」

妖艶な笑みを浮かべ、再びシンジに近づく。
当のシンジは体を硬直させていた。
その硬直を良いことに、アスカはシンジのブリーフを下げ始める。
寝間着のため、シンジは「平常心」と書かれたシャツと短パン、ブリーフだけであった。

「なっ・・・・やめてっ!」

だが、シンジは動けない。
アスカの眼力にやられたのか。

「・・・これがシンジのシンクロ率の元ね・・・」

シンジの睾丸を手に取り、転がしながら呟く。

「で、これがシンクロ率の栓ね・・・」

萎んでしまっているシンジの一物を親指と人差し指で挟み、凝視する。
未だにシンジはアスカの成すがままとなっていた。

「確か・・・これを大きくしなくちゃいけないのよね」

まだ一物を持ったまま、アスカは再び舌なめずりをする。

ぺろり

不意になま暖かい感触を得る。
アスカが一物を一なめしたから。
だが、シンジの物はまだ何の変化もない。

「雑誌で読んだことあるわ。男も乳首が性感帯となっているって」

その雑誌の通り、アスカはシンジのシャツをたくし上げる。

「ふふっ・・・」

笑みを浮かべ、アスカは唇をシンジの乳首へと持っていく。
その目は未だにシンジの目を捕らえている。

「う・・・・あ・・・・」

シンジは感じたことのない感じを得ていた。

ぺちゃ・・・ぺちゃ・・・・

感覚が下半身に集まっていく感じ。
上半身を攻められているのに、下半身が感じている。

「うあっ・・・・あんっ!」

女性のような感じ方をするシンジ。

「はぁ・・・はぁ・・・」

少し舐められ、手でいじられただけだというのにシンジの物は立派に隆起してしまっていた。

「これで良いわ・・・・早速シンクロ率、もらうわよ」
「えっ・・・や、やめてよっ!」

再び感じるなま暖かい感触。
だが、その感触がやむことはない。
アスカはシンジの物をしっかりとくわえ込んでいた。

「だ、ダメだよっ!アスカぁ・・・」
「・・・何を言っているの?さっさとアンタのシンクロ率だしなさいよ・・・・ほら」

アスカの唾液で少しばかり濡れた物を手で掴み、上下運動を開始する。
これもまた、雑誌で得た情報。

「良いんでしょ?確かこうすると感じるって書いてあったわ」
「あうっ・・・・はぁはぁ・・・ん・・・んんっ・・・・」

手で上下させながら、一方では鈴口に舌をはわせるアスカ。
何時出てきてもいいように口を離そうとしない。

「んっんっんっ・・・・」
「うあっ・・・はぁはぁ・・・あ、アスカぁ・・・・やめ・・・」

上下する手の運動は次第に速度を増していく。
垂れ下がってくる髪を別の手で掻き上げながら、未だにその口を離そうとしない。

「だ・・・ダメだよ・・・・・・・・」
「んっ・・・んっんっんっ・・・・」

シンジの物の半分ほどを口の中に入れ、舌で鈴口を舐めあげる。
唇で包み込み、手は上下運動を欠かさない。

「はぁはぁはぁはぁは・・・」

次第に息が荒くなっていくシンジ。
限界が近づいているのだろうか。

「はぁはぁ・・・・・くんっ!」

どっ・・・どくっどくっ・・・

白い液体は全てアスカの口内へと入っていった。
一滴ももらさまいと、アスカは唇をつぼめる。

「んっ・・・・ん・・んぐっ・・・」

そしてその全てを飲み干した後、シンジの方を見て笑みを浮かべる。

「ふぅ・・・これでシンジのシンクロ率がアタシに0.1%位は移ったわね」
「はぁはぁはぁ・・・・」

恐怖、快感、その両方の表情をシンジは顔に表している。
その中には安堵感もあるように見受けられる。
おそらくこれで終わりになるだろう・・・と言う希望と共に。

「あ・・・アスカぁ・・・・」
「ふふっ・・・・今度は・・・アタシの欠けたシンクロ率の所に、アンタのをもらおうかしらね」

一瞬何のことか疑問を感じるシンジ。
だが、アスカの行動によってその疑問が全て氷塊、再び恐怖に駆られてしまう。

「なっ!・・・・何をっ!何をしようとするんだよっ!アスカっ!」
「・・・見て分からない?アタシのココにアンタのシンクロ率をもらうのよ」

アスカが指し示すのは女性自身。
それは湿り気を帯びていた。

「・・・ふふっ・・・アタシのを見ただけでもう準備、出来ているじゃない」

そう、シンジの物をはアスカを見ただけで再び隆起していた。
自身の意図とは反対に。

「早速もらおうかしらね・・・」
「やっ!やめてっ!」
「・・・っ!」

逃げようとするシンジ。
だが、それも空しく終わってしまう。
アスカが眼光を発し、シンジの行動を止めてしまったからだ。

「無駄よ。アンタはもう一生アタシにシンクロ率を与え続けなければならないの」
「なんで・・・・何でそんなにエヴァにこだわるんだよ・・・」
「決まってるじゃない。アタシは一番じゃなきゃいけないの。アンタは2番で良いのよ」
「そんな・・・」
「一番になるためにアンタのシンクロ率、もらうわよ」

アスカは逃げようとしたシンジの肩を押さえつけ、仰向けに寝させる。
そうすることにより、シンジの物は天を向くことになる。
物はまだ隆起していた。

「ふふっ・・・・頂くわ・・・」

ぬるっ・・・

アスカの方も多少濡れていたせいか、すんなりと半分ほど進入する。

「くっ・・・・邪魔ね・・・」

ぱりっ!

何かがさける音。
その音と共に、アスカの胎内から血があふれ出す。

「あ、あすか・・・」

破瓜。
その事実にシンジはさらに体を硬直させた。

「ん・・イタっ・・・・・・全部・・・・入ったわね・・・」

アスカの言葉通り、シンジの物は全てアスカの胎内へと埋没している。

「ほら、唇出しなさいよ・・・・」

一つになったまま、アスカはシンジの唇を要求する。
シンジの頬に両手を添え、そのままシンジの唇を奪い、彼の唾液を飲み干していく。
シンジの方は目をつぶることすらやめていた。

「ふぅ・・・少し痛みが引いたわね・・・じゃ、動くわよ」

もう何も考えたくないのか、シンジの目から光が失われかけていた。

「・・・ダメよ。アンタにはずっといて欲しいんだから心を壊しちゃ。アタシのためにね・・・・」

パシッ

軽く頬をたたくことにより、シンジの意識を再び現世に呼び戻す。
もう彼にはアスカに対して為す術を失っていた。

「ふぅふぅふぅ・・・・」

ぎしぎし・・・ぎし・・・

ベッドのスプリングがきしむ。
アスカはシンジの意識が戻るのを確認すると、上下に動き始める。
その動きがやむことはない。
シンジはアスカの成すがままと再び化していた。

「ふぅふぅ・・・んっんっ・・・・」
「はぁはぁ・・・・・はぁはぁ・・・・はぁはぁ・・・」

快楽がアスカを支配し始めたのか、アスカの胎内より透明の液体が分泌し始める。
その液体が潤滑油となり、上下運動をさらにスムーズな物へと変えていく。

「アスカ・・・・」
「何よ」

上下に動きながらアスカはシンジの問いかけに反応する。

「やめてよ・・・こんな事・・・無意味だよ・・・・」

虚ろと化した顔をアスカの方に向け、訴えかける。

「イヤよ。まだアンタにシンクロ率をもらってない物」
「そんな・・・」

まだ動きは止まらない。
それどころか動き自体は速度を増している。

「はぁはぁはぁ・・・んっふぅ・・・・」
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・・」

シンジの下半身が動きを見せ始めた。
当然自身で意図した動きではない。
DNAが動きを示唆しているのだろう。
無意識のうちにアスカに合わせて下半身が動きを付けている。

「そ、そろそろね・・・アタシもそろそろいってしまいそうだわ・・・・」
「だ・・・だめだよ・・・・ダメ・・・・アスカぁ」
「はやく・・・早く出しなさいよ・・・アンタのシンクロ率・・・全部アタシがもらってあげるわ・・・・」
「だ、ダメだっ!」

一瞬、動きが絶頂を迎える。
それに伴い、二人は同時に果てようとしている。

「く・・あっ!」
「んんんんんっっっっ!!!」

どくどくどく・・・・どくっ

シンジのはなった物は全てアスカの胎内へと消えていく。
アスカの方も一滴の先程と同じように一滴ものがさまいと、絞り込んだ。

「はぁはぁ・・・ふふっ・・・・これでアンタのシンクロ率はアタシの物ね・・・」

勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
それに対して、シンジの方は憔悴と化しているようであった。

「あ・・・あぁ・・・・」

後悔、快感、消失。
幾多の感覚が今の彼を支配していた。

「良い?シンジ。アンタのシンクロ率は全部アタシの物だからね・・・・」

そしてアスカはシンジを支配する。






あとがき

IRCでの会話から生まれました。このSS。
「アスカがシンクロ率が下がりはじめて・・・(以下略)」
と言う内容だったと記憶していますが・・・覚えてません(笑)
このSSでは「シンクロ率=シンジの(ピー)液orアスカの卵(ピー)」と言う図式の元、書いていきました。
何かこっぱずかしいので、伏せ字です(爆)

何かありましたらY-MICKまで。

では、また別のSSで・・・




あとがき改訂版

続きを作るために、ちーと改訂しました。
と言っても一見した感じは最後の部位を削っただけ。
ま、そー捕らえてもかまわなかったりします。

と、いうことで続きへ。


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