いつもそばにいてくれた。

それだけで…… 僕はうれしかった。

僕のことを思ってくれなくてもいい。

ただ、そばにいるのがうれしかった。




記念日 Intermission 〜休憩時間〜 SSS<Super Short Story>




ある日の休み時間。

僕は窓の外を見ながらぼーっとしていた。

「馬鹿シンジ! なにぼーっとしてるのよ」

アスカが聞いてくる。

なにも答えない、答えられない。

なにもしてないんだから。

「ちょっと、どうしたの? ねぇ、大丈夫?」

心配そうなアスカの声、僕は軽くうなずいて、またぼーっとし始める。

「いったいなんだってのよ! ちょっと、シンジってば!」

僕は黙って空を指さす。

「いったいなにがあるってのよ…… なにもないじゃない。雲一つない青空。なにがたのしいの?」

僕は上の空で答える。

「なにもないから…… 吸い込まれそうじゃない? なにも考えずに……いたら」

そう答えてからアスカをみる。

彼女はくすっと笑うと僕の隣に座る。

「そうね。たまにはぼーっとするのもいいかもね」

そうして、僕ら二人はチャイムが鳴るまで空を見上げ続けていた。


 

 


Intermissionです。

休み時間、空をぼーっと見上げたくなりませんか?

10/10があまりにもいい天気だったのでこんなものを思いつきました。

これは駄文ですけどね。

「吸い込まれそうな感じ」を共有できる人がそばにいたらいいと思いません?

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