体育の日
青く澄んだ空。
心地よい風が頬をなでる。
四季がこの地に戻ってきて早数ヶ月。
10月に入って秋を実感し始めていた。
「ねぇ。シンジ。 今日は体育の日でしょ。 テニスをしに行こうよ」
アスカのお誘いがかかる。
でも、僕にはやりたいことがあった。
「ごめん。僕……今日は出かけるつもりなんだ」
「ちょっとぉ、わたしをおいてどこに行こうって言うのよ」
「……山に行くんだ。 青葉さんと日向さんとね。ついてくる? 」
「しーんちゃん。 何でわたしを誘ってくれないのぉ? 」
ミサトさんが割り込んでくる。
「わたしそんなこと聞いてないのよねぇ。 男だけで山に行くなんて…… なにしに行くのかなぁ?」
「シンジ! わたしに内緒で何で決めちゃうのよ」
二人の女性から攻撃されて、僕は笑いながら答える。
「勝手に決めたのは悪いと思います。でも、前から約束してた事だから」
その時、僕の携帯がなる。
「はい、シンジです。 ……え、そうなんですか? ……じゃあ、こっちも…そうです。はい、じゃあ11時に……ええ、目的は話してないですよ。当然じゃないですか。……はい、それじゃ11時に」
電話を切って二人の方を振り向く。二人は不思議そうな目で僕の方を見ていた。
「二人とも聞いてなかったんですか?11時に迎えにきますから。行くなら用意してくださいね」
「ちょっと、どこに行くのか聞いてないでしょ」
「そうよぉ。山としか聞いてないんじゃ用意できないわよぉ」
「山ですよ。ハイキングみたいな物ですから、動きやすいかっこしてくださいね」
僕は部屋へ戻ろうとした。その途中で二人を振り返り、
「あと、1時間しかないから早く用意してくださいね。行かないんだったらいいですけど。間に合わなかったらおいていきますよ」
と、言い残して部屋に戻った。
「めっずらしーわねぇ。あそこまで言い切るシンちゃんなんて。そう思わない?アスカ」
「そうね。でも……それだけ立ち直ったって事でしょ。あの戦いから……」
「あなたもね。まあアスカの場合はシンちゃんの愛があったからよねぇ」
「ば、馬鹿なこといってんじゃないわよ! さっさとしないとおいてかれるわよ!」
顔を赤くしながら、アスカも部屋へ戻っていく。
それを見ながら、ミサトも部屋に戻っていく。
「わたしは……二人に支えられて立ち直ったのよ……」
一時間後
シンジはジーンズに長袖のシャツというラフな格好でリビングにいた。
「そろそろ来るかな……」
「「おっまたせー」」
きれいなユニゾンを響かせてミサトとアスカが現れる。
アスカは、ジーンズにチェックのシャツ、ミサトも、ジーンズにジャケットという出で立ちだ。
「シンジ、こんなもんでいいの? 」
「大丈夫だよ。そろそろ来ると思うんだけど……」
その時チャイムの音がした。
シンジが即座に反応する。
「はーい、今行きますね」
「ほら、二人とも行くよ」
「「はーい」」
玄関を開けると、日向さんがいた。
「やぁ、シンジ君。こっちも一人増えたから、1BOXを借りてきたよ」
「わかりました。こちらの方も増えましたし。ほんとは三人で行きたかったんですけどね」
「まあ、しょうがないよ。そのうち、また行こう。今度は春だけどね」
「そうですね」
話の内容がよくわかってないアスカとミサトがたずねる。
「いったいどこに行くの、マコト君」
「日向さん、私たちをどこに連れて行くつもり?」
「あれ、シンジ君、はなしてないの?」
「ええ、『山に行く』としか……」
「それじゃ、僕の口からはいえないよ。ついてからのお楽しみだね」
「「そんなぁ」」
ふと気がついたようにシンジが
「早く行きましょう! 日向さん」
「そうだね。シゲルも待ちくたびれて……るわけないか」
「まぁ、そうでしょうけど、マヤさんが待ちくたびれちゃいますよ」
「そうだね。じゃあ、行きますよ」
そういって歩き出すシンジとマコト。
あわてて追いかけるミサトとアスカ。
マンションの下についたとき、そばに止まっていた車から声がかかる。
「おー、来た来た。早く行こうぜ」
「ああ、さあ、乗ってください。お嬢様がた。時間がもったいないですから」
「そういえば、日向さん。寝る場所はどうします?」
「それは大丈夫。あそこはもう一部屋ぐらい簡単に貸してくれるよ。もっとも、寝る暇はないだろうけどね」
「それもそうですね」
「「ちょっとまって」」
あわてる二人。
「泊まりがけなんて聞いてないわよ。それなら持っていく物があるんだから」
「そうよぉ。そんな大事なことは早く言いなさいよぉ」
「シンジ君。それも伝えてなかったのかい? ちょっと出発を遅らすぞ、シゲル」
「そうだな。じゃあ、シンジ君の入れてくれたお茶でも飲んで待つか」
「わたしもそんな話聞いてないです。泊まりがけなんて・・・」
「あれ?そうだっけ」
「おいおい。シゲルぅ…… じゃ、しょうがないか。三人で行くとするか」
「そうですね。これ以上遅くなってもしょうがないですし……」
「行<くの>(くわよ)きます!」
三人が見事にハモる。
「どうする? シゲル」
「じゃあ、途中でコンビニでも寄るか」
「それでいいと思いますよ」
そうして6人は車に乗り込んだ。
「山ですよ。山」
車を運転しながら、シゲルがうれしそうに答える。
助手席ではマコトがぐっすりと眠っていた。
「青葉さん。どのくらいかかりそうですか?」
「そうだなぁ。途中で五回くらい休憩を入れて……明け方の5時かな」
「えーっと……18時間ですか?」
「そんなものだね。まあ、途中で仮眠をとるからだけどね」
それを聞いてアスカが怒鳴る。
「ちょっとぉ、いったいどこに行こうってのよぉ」
ミサトがさらに、
「そんなに長い間お酒飲めないなんて……」
マヤがつぶやく。
「お風呂に入りたい……」
「あ、そうか。ミサトさんがいたんだ。青葉さん。ミサトさんにも運転してもらいましょう。そうすれば多少は楽できますよ」
真顔で言い出すシンジ。
「そうだね。お願いできますか? ミサトさん」
苦笑しながら聞くシゲル。
その後ろには顔を引きつらせているアスカとマヤの姿があった。
「ちょ、ちょっとシンジ! あんたミサトの運転の荒さ知ってるでしょ! 何でそんなこといえるの?」
「そうですよ。ミサトさんになんか運転させたら目的地に着く前に死んじゃいますよ」
むくれるミサト。
「なによぉ。そんなにとばす訳ないでしょ。第一行き先も解らないのに飛ばせるわけないじゃない」
言い放つミサト。車内に笑いが起きる。
「第一、車で行くのは目的地の手前までだから。そこからが長いんだ」
笑いながら話すシゲル。
「そうですねぇ。初めていった時はどうしてこんなところにきたんだろうって思いましたよ」
いつの間にか会話に参加しているマコト。
「日向さん、後半戦は日向さんでしょ? もうちょっと寝てた方がいいんじゃないですか? 」
「ああ、大丈夫だよ。葛城さんが運転してくれるみたいだしね」
−ミサトが運転することに決定しているらしい。−
その事実にマヤとアスカは
「「どうか。死にませんように」」
と神に祈りを捧げていた。
どうにかこうにか、車で行けるところを終わらせた6人組。
「いっやー、長かったなぁ……」
体を伸ばしながらシゲル。
「指令塔に詰めてるよりは楽だな。 何たって終わりが見えてるんだから」
と、何となく棘があるセリフをはくマコト。
「そうですね。無茶な命令聞く必要ないですし、使徒と戦うよりよっぽど楽でしたよ」
と、シンジ。こちらもかなり棘が入っている。
「あぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。ぎぼじわ゛る゛い゛……」
今にもはきそうなアスカ。
「大丈夫? アスカ。 これ飲んで」
スポーツ飲料を差し出すシンジ、
「はうぅうぅ。気分が……」
こちらではグロッキーのマヤがいた。
「これ飲んで。 しばらくすれば落ち着くさ」
シゲルがさっと冷たい紅茶を差し出す。
「うん…… ありがとう」
少し顔を赤らめて受け取るマヤ。
「へへへ、ちょーっち飛ばしすぎちゃったかなぁ? 」
反省の色が、全く見えないミサト。総ての元凶だというのに顔色一つ変えていない。
「そんな性格だから、エヴァの指揮官なんてやってられるんですね」
上目遣いにミサトをみながらそう言い放つシンジ。
「し、しんちゃん…… 」
あまりのセリフに呆然とする他の人間たち。
しかし、次の瞬間みんなが笑い出した。
「そうよねぇ、責任なんて感じない人間じゃなきゃやってられないわよねぇ」
「そうですよねぇ。何度となく死ぬくらいの緊張感にさらされたか……」
「そうだなぁ。葛城三佐のおかげでしばらく家に帰れなかったしなぁ」
「それならまだいいじゃないか。僕なんて葛城さんのおかげでかなり危ない橋わたってるんだぜ」
泣きそうになるミサト。笑い続けるみんな。
そこには、あのつらい戦いからやっと吹っ切れたみんながいた。
「さて、そろそろ仮眠所の方へいきますか。 葛城さんのおかげで、だいぶ早くつきましたからね」
そういって歩き出すマコト。
「これなら4時間は寝られるな。 それだけ寝られれば十分だろう」
あとを追うシゲル。
「あ、僕もいきます。 早くいこうよ、アスカ! 」
歩き出すシンジ。
残された三人は我に返ると、あわてて後を追いかけ始めた。
『仮眠をとるのが目的というだけの建物』と、マコトが言い切るだけのことはある。
そこは、古びたプレハブで夜露がしのげるだけの簡単な宿舎だった。
「ちょっと、女の子をここで寝かせる気? 」
アスカが当然のごとくくってかかる。
「アスカたちは車で寝るといいよ。そのために僕たちがこっちにきたんだから」
すらりとかっこいいセリフを口にしているシンジ。将来サオ師になることは間違いないだろう(笑)
「う…ん」
なぜか口ごもるアスカ。脇でみていたミサトは、「ちゃーんす」とばかりににやっと笑う。
「アスカはしんちゃんと一緒に寝たいのよぇ。 あぁ、わかいってうらやましいわぁ」
真っ赤になるシンジとアスカ。
「ふ、不潔です! そんな…… ふたりっきりで寝るなんて……」
顔を赤くそめてマヤが言い出す。
「そりゃ、シンジ君とアスカちゃんが一緒に寝るのはいいとしても、日向さんと葛城さんが一緒に寝たら、私青葉さんと…… そんなわたしたちそりゃつきあってくださいなんていわれたけれどそこまでのかくごなんてううんしてるつもりだけどそんないきなりなんてきょうおふろはいってないしそれにしたぎだってもっとかわいいものを…… 」
暴走するマヤ。そばで聞いていたシゲルは顔を真っ赤にしてうつむいている。
「ちょ、ちょっとマヤ? なんか勘違いしてない? 」
妙にあわてるミサト。そばではマコトも顔を赤らめている。
「ふーん、みんなそういうかんけいだったんだぁ」
意外な事実の発覚に、惚けたような声を出してしまうアスカ。
シンジといえば……、やっぱり顔を赤らめている。
「だいいちこんなむーどのないところじゃくてもっとむーどのあるところいいえかれといっしょだったらここでもいいんだけどやっぱりはじめてはふたりっきりのときにしたいし……」
マヤの暴走はまだ続く。
「どうする? シゲル? あーいってるけど」
立ち直ったマコトがシゲルにたずねる。
「どうするったって…… あの状態になったらしばらく戻ってこないんだよなぁ」
「じゃあ、葛城さんに任せて俺らは寝るか」
「そうだな。……シンジ君はどうする?」
「当然僕もそっちで寝ますよ。 それも目的の一つですし」
「そうだったね。じゃあ、アスカちゃんは悪いけど車で寝てくれ」
「しょうがないわねぇ」
そういいつつほっとした表情を浮かべるアスカ。
そうしてわずかな仮眠の時間はすぎていく……
「約束通りこれましたね。 日向さん、青葉さん」
プレハブに入るなりシンジが話し始めた。
「そうだなぁ。この約束を守れたのはシンジ君のおかげだよ」
シゲルが感慨深そうに答える。
「そうだよ。シンジ君のがんばりがあったからこそ、僕たちはこうして生きていられるんだから」
「そうですね… でも、ここにまたこれたのはお二人のおかげですよ」
それは、シンジがネルフに入って2週間位のことだろうか?
帰りがけのシンジをシゲルとマコトが捕まえて、一緒につれていったのが一回目だった。
そのとき、シンジはこの景色に感動し、もう一度つれてきてほしいと二人に頼み込んでいた。
だが、続けざまに来襲する使徒により、その約束は、現在まで果たされなかった。
「まあ、あんときは寂しそうにしているシンジ君を見て、どうにかしてやりたいと思ったんだったなぁ」
シゲルが懐かしむように当時を思い出す。
「結果的にシンジ君の役に立てたんだからいいじゃないか」
マコトがそう話し、三人は幸せそうにほほえんだ。
一方車の中では?
「それでもってふたりはあかいじゅうたんのうえをてをつないであるいちゃったりしてそれでてにもったぶーけをあおいそらのうえになげるのそうしてわたしたちはしあわせなけっこんせいかつをつづけて… 」
まだマヤが暴走していた(笑)
午前5時 一番寒い時間帯である。 もっとも、いくら季節が戻ったとはいえまだ肌寒い程度しか感じられない。
そんな中、シンジ達は懐中電灯で足下を照らしながら山道を登っていた。
「さすがに寒いですね。 アスカ平気? 」
「私だって全然平気よ… ちょっと寒いけど」
「ああ、ちょっと冷えるな。 でも、それだけ季節が戻ってきてるってことだろ?いいことじゃないか。マヤちゃんは大丈夫? 」
「ええ、平気です。 私山登り好きですから。 」
「そうだな。あ、ミサトさん。足下気をつけてくださいね。 滑りやすいですから」
「わたしはだいじょーぶよん。 」
女性陣はそれぞれの伴侶に心配されてちょっとうれしそうにしている。
だんだんと夜が明け始めようとしていた。そろそろ足下の心配がなくなってきたので、懐中電灯をザックにしまう。
歩くこと30分ほど。 それを最初に見つけたのはアスカだった。
「あら? ねえ、シンジ。あそこに見える建物は何? なんか湯気がでてるみたいなんだけど? 」
「ああ、あれがこの目的地の一つだよ。 日向さん。見えましたね 」
「ああ、あれが見えたってことはもうひとがんばりだね」
「ねえ、マコトくぅーん。そろそろ行き先を教えてくれてもいいんじゃない? 」
「そうですよ。青葉さんももったいぶらずに教えてくれたっていいじゃないですか 」
「もう少しでわかるよ」
と、男性陣を代表してシンジが言って、また歩き始める。
そのまま歩くと、先ほどアスカが見つけた湯気の立つ小屋まできた。
「ここが第一の目的地です 」
そうシンジが言って後ろの3人を振り返る。
「疲れてたらここで休んでてもいいよ。 アスカ 」
アスカを気遣うように声をかけるシンジ。
「ここは? 」
不思議そうに問いかけるアスカ。マコトがほほえみながら答える。
「ここは、温泉があるんだよ。 疲れたんだったらここで休んでいるといい。 僕たちも後でここには入るから」
「そんなこと言ったって何も用意してないです」
マヤがそう答える。シゲルはバックパックをおろしながら、
「バスタオルと、シャンプー、リンスと石鹸くらいは用意しておいたよ。 よかったら入って待っててくれ」
「シンジ達はどうするの? 」
アスカの問いに、シンジはほほえみを浮かべながら答える。
「僕たちは後ではいるよ。 もう少し先までいくから…」
「じゃあ、あたしも一緒にいく。 いいでしょ? ミサト達はどうするの? 」
「私はくっついていくわよん♪ マヤちゃんは? 」
「私もここまで来てのけものにされるのはいやですから」
「荷物はここにおいていっても大丈夫だよ。 ここまでくる物好きは僕たちくらいだから」
しばらく迷ったものの、貴重品だけ身につけていくと言うことで、みんなは荷物を脱衣所においていく。
そこからさらに10分ほど歩いたところが目的地だった。
「ここが目的地だよ。 アスカ。 また、ここに戻ってこれましたね。 日向さん。 青葉さん」
「そうだね、シンジ君。 ここにくる事。それが約束だったね。」
「ここがすべての始まり… か」
そこは、何の変哲もない展望台だった。 東の空があかがね色に染まっているだけの展望台。
取り立ててみるものもない、本当に寂れた展望台だった。
そこには朽ちた望遠鏡、錆が浮いた自動販売機などが並んでいる。
「ねぇ、何でこんなところに… 」
アスカの言葉は途中で遮られた。
東の山から漏れてくる朝日。それに照らされるように眼下には大きな光が現れた。
朝焼け色に染まる光の湖。
それは、自然が織りなす神秘。
その光は様々に色を変えながら、だんだんと本来の姿を現してゆく。
「す、すごい… 」
マヤは言葉を続けることができなかった。
「…… 」
ミサトは言葉を失っていた。
そして女性陣は見た。
自分の思い人がその光の中にたたずんでいるのを…。
「シンジ! 」
アスカはシンジに抱きついた。 なぜか、シンジが遠くに行ってしまいそうな恐怖を感じて。
ミサトはマコトに寄り添う。 マコトが自分よりも大人に見えて。
マヤはシゲルの側へ歩み寄り、顔を見つめる。 そこに見たこともない「男」を見つけて。
その光の祭典は、約3分で終わりを告げた。
「さあ、いきましょうか。 温泉で汗を流して、それからどこかでお昼ご飯を食べましょう」
シンジがシゲルとマコトに声をかける。 その手にはアスカが寄り添っている。
「そうだね。 そういえば、この麓においしい蕎麦屋があるんだってさ。」
マコトが答えを返す。 ミサトはマコトに寄り添ったままだ。
「蕎麦かぁ。俺は蕎麦よりうどんの方がいいなぁ。 どこかおいしいところ知らないか? 」
シゲルがそれに答える。 マヤは、顔を赤らめ、シゲルの側にたっている。
「まあ、とりあえず温泉にでも浸かって考えましょう」
シンジの言葉にみんながうなずいた。
「いっやぁー、お風呂は命の洗濯よねぇ。 こんなところで露天風呂に入れるなんて思わなかったわ。 これでえびちゅがあれば完璧ねぇ 」
相変わらずなミサトのせりふに、アスカとマヤは顔を見合わせてほほえむ。
「しっかし、ミサトと日向さんがくっつくとはねー。こりゃ日向さんの命が危ないわね。」
アスカがさらりと爆弾を落とす。
「ミサトさんの料理ってそんなにすごいの?アスカちゃん」
「あれは毒物兵器よ! VXガスに匹敵するわ」
「日向さんもかわいそうねぇ、そんな料理を食べさせられるなんて。」
二人のやりとりにミサトが切れる。
「あんたらぁ。いい加減にしなさーい!」
そうして楽しい時は過ぎてゆく。
誰もが思っているだろう。
この瞬間が永遠に続けばいいと。
彼らにはその資格があるのだ。
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