【 構成無茶苦茶妄想意味無し小説 】

つよいぞ!シンジ君!!狂乱の宴編





西暦2015年、地球は核の炎に・・・じゃなくて。

仕切り直し。

西暦2015年、葛城家に奇跡が起きた。

その日、一人の天使が舞い降りた。


そう、酔いどれ天使が降臨したのだ!


「どわぁ〜はははははぁぁぁ!!
 飲め!飲め!!もっと飲め!!!
   ぐわぁっはははははぁぁぁ!!!!」




………これが誰かは、もはや言うまでもないだろう。

事の起こりは数時間前にさかのぼる。

「へぇ〜、珍しいですね。休暇ですか?」

「そ。明日だけ、だけどね」

珍しくまだ日が完全に落ちる前にミサトが帰宅。
そして今のところ忙しくないので休日になったと言うのだ。

「でも、ミサトだけならまだしも、リツコ達もなんでしょ。大丈夫なの?」

アスカは万一の事態を想定し心配そうだが、ミサトは相変わらずアバウトだった。

「うぅ〜んへーきへーき。使徒が来たら行きゃぁいいのよ」

「………お気楽ですね、ミサトさん」

「まぁねん。ちゅうワケで家で飲み会する事になったのよ。
 シンちゃん、料理お願いしていいかしら?」

もう既に決定事項なのだろう。
今断ってところで、この家を荒らされ放題になるのは目に見えている。

「ええ、分かりました。それで人数は?」

「えーと、リツコでしょ、加持、マヤちゃん、日向君、青葉君、この五人ね」

「アタシ達も入れて全部で八人。大丈夫?シンジ」

「うん、大丈夫だよ、アスカ。じゃあ、材料買い出しに行って来ます」

「「いってらっしゃ〜い」」

てなワケで、シンジは買ってきた材料で現在料理中。
アスカは、シンジの側に居たいが為に、苦手な事ながら一生懸命手伝っている。

そして、ぞろぞろと集まる歴戦の猛者達。

「来たわよ、ミサト。シンジ君の料理、楽しみだわ。
 この前はミサトの当番で不愉快にさせられたから」

「お邪魔しま〜す。シンジ君の料理美味しいんですって?早く食べてみたいな」

リツコ&マヤ登場

「こんにちわ、葛城さん。お邪魔します」

「ども、シンジ君、アスカちゃん、お世話になるよ」

眼鏡星人マコリーン&ロン毛星人シゲリアス登場。

「おぃっす。邪魔するよ」

加持が現れ、8時だよ!全員集合!!(8時ではないが)

そしてちょうど全ての料理が完成したようだ。

「シンちゃん、ご苦労様。それじゃ始めるわよ!」


そしてミサトの音頭で、ついに狂乱の宴は静かに始まりを告げてしまった。


「あら、美味しい。こんなに美味しいなんて予想外だわ」

「ホントに美味しいわよ、シンジ君」

出された料理の出来の良さに表情も弛む参加者達。
その言葉にシンジも嬉しそうだ。

「有り難う御座います」

「何言ってんのよ。当たり前の事じゃない。
 シンジの料理が美味しいのはいつもの事よ」

「ありがと、アスカ。それに今日はアスカが手伝ってくれたからね」

「・・・シンジ・・・」

顔を赤らめるアスカ。

その時であった。

ピンポーン、ピンポーン(こんな音だったか?)

某名人ばりの16連打で呼鈴が鳴り響いた。

「誰だろ?はぁーい」

ドアを開けたシンジの前に立っていたのはレイだった。

「あれ、綾波。どうしたの?」

「………何となく………」

ちょっと汗が出てきたシンジではあった。

「ま、まあ上がってよ。ちょっと賑やかだけどいいかな?」

「………ええ、問題ないわ………」(ニヤリ)

「ファーストぉ!何しに来たのよ!」

通されたレイを見るなり不機嫌になるアスカ。

「……貴方には関係ないわ。私は碇君に逢いに来ただけ……」(ニヤリ)

「ぬわ、なあぁ〜に言ってるのよっ!!
 シンジはアタシのモノなんだからっ!!邪魔しないでよね!!」

ここにシンジ争奪戦が勃発した。


そしてミサト達はと言うと………。

「こらぁ〜、飲んでるのぉ〜?日向君!青葉君!加ぁ持ぃぃぃ、あんたもよ」

こちらは色気のない会話をしている。

始まって10分もしない内に大ジョッキ四杯目のミサト。
はっきり言って半端じゃないペースだ。

「か、葛城さん、まだ始まったばっかりなんですから……」

「そ、そうっすよ。ゆっくり楽しみましょうよ」

「二人とも、諦めろ。これが現実だ」

日向、青葉は顔面蒼白。加持は慣れからだろうか、諦めの表情を浮かべる。

するとアスカがやって来た。

「加持さん、今迄ごめんね。アタシ分かったの。
 アタシにとって加持さんは近所のお兄ちゃんみたいなものだって事に」

「………そうか(やっと気付いてくれたか)」

加持は一応まともな大人であり、ロリコンではない。
言われるまでもなく、今まで妹として大切に見守ってきたのだ。
そのアスカがようやく気付いてくれた。その成長に目を細める加持であった。

が。

「加持さん、アタシに振られたからってヤケにならないでね。
 それと、もうアタシにつきまとわないでね。シンジに誤解されちゃうから」

「………は?」

加持の目が点になった。

「もう、まだ解らないの?迷惑だから近づかないでって言ってるの」

ニコッと微笑んで言うアスカ。

「………は、はあ」

「それだけ、それじゃ。
 あ、シンジぃぃ。アタシもそれ食べるぅぅ」

それだけ言うと、トコトコとシンジの元へ戻っていった。

「(……なんだったんだ一体)」

呆然としているところに迫る影。

「くわぁぁぁじぃぃぃ。振られたわねぇぇ。げひゃひゃひゃひゃひゃぁぁぁ」

そろそろキ始めているミサト。
日向と青葉はめっちゃブルーになっていた。

そして、高名な赤木博士もキ始めていた。
なにやら壁に向ってブツブツと呟いている。

「……改造……いい響きだわ……洗脳……それもナイスよ……」

出来れば聞きたくなかった、穏やかでない事を口走っている。

「っせ、先輩。飲み過ぎですよ」

「………あら、マヤ………ロケットパンチ欲しくない?
 今なら只でつけてあげるわよ……フフ……フフフ……」

「せっ、先輩!?イヤッこんなの先輩じゃないっ!いやぁー!!」

こちらも修羅場のようだ。


「しぃぃんちゅわぁぁん! ぅあぁぁすくわぁぁぁ! れぇぇぇぇいぃぃぃ!
 アンタ達も飲みなさぁぁい。私が許可しまぁぁぁす。って言うか飲め!」

すでに、へべれけモード50%に到達しているミサト。

「え?ちょっ、ちょっとミサトさん?」

「アタシは飲んでるわよ、ミサト」

「……お酒……知らない……飲んだ事ないから……」

「うっさい!!いいから飲めこの野郎!シャァ〜コラァ!」

…………ちょっと猪木が入ってきたようだ。

「いや、でもビールって美味しいと思えないんですよ。
 苦いし……どうも好きになれそうもないですよ」

「逃げちゃ駄目よ、シンジ君!!嫌な事から、何よりも自分から!!」

(この人は一体何を考えているんだろう……)と思うシンジだった。

横から現れた加持が、薄茶色の液体の入ったグラスをシンジに渡した。

「じゃあカクテルなんかはどうだい?
 種類が豊富だから、シンジ君が好きになれる物もあるだろう」

「そうでしょうか? ところでこれは?」

加持に手渡されたグラスを不思議そうに見るシンジ。

「ああ、これはカルアミルクって言うんだ。甘党にはこれだな」

シンジは恐る恐る口をつける。

「あっ、美味しいですよ、これ。これなら僕でも飲めますよ」

「あっ、シンジぃ。アタシにもそれ飲ませてよぉ」

言うが早いかシンジの手からグラスを奪う。

「うん、甘くて美味しいわ。シンジ、アタシ達はこれ飲みましょ」

「うん、そうだね。じゃあ飲もうか」

※注意・未成年の飲酒は禁止されてます。(作者が言っても説得力ないが)

レイは日本酒が気に入ったようだ。いぶし銀である。

一人で静かに壁の隅っこで飲んでいる。

「………ウケッ………」

幸い?その呟きは誰にも聞こえていなかった。

そして、御高名な赤木リツコ博士はテレビに話し掛けている。

「……知ってる? ……シシカバ・ブーは足からキ○肉ビームを出すの……フフフ……
 ……ナチグロン?……黒いわよ……とっても……フフ……フフフ……」

「………先輩。もう先輩は私の手の届かない所に行ってしまったんですね………」

既に収集のつかなくなってきた葛城家。

「うぅ〜んシンジぃ、飲んれるぅ?ねぇってばぁ」

「うん、飲んでるよ。アスカ、もしかして酔ってる?」

「酔ってにゃいじょぉ〜。平気らろぉ〜」

すでに全開に酔っ払ってるらしいアスカ。
カクテルは飲みやすいが、意外とアルコール度が高いので注意。

「シンジ君は平気なのかい?」

何の変化も見えないシンジに加持が問い掛ける。

「ええ、そうですね。今の所大丈夫ですけど」

「意外だなぁ。シンジ君はすぐ酔うと思ってたから。おっと、気を悪くしないでくれ」

「いえ、平気ですよ。酔わないのは再構成の影響かもしれませんね」

そんなごく普通の会話をしているときだった。

ドゴォ!

景気のいい音が響き、シンジの目の前から加持が消えた。
アスカが座っている加持の頭を掴み、後頭部にチャランボをかましたのだ。

「アラシのヒンジを取らにゃいれよ!カリしゃん!!」
訳(アタシのシンジを取らないでよ!加持さん!!)

しかし、冷蔵庫に顔面から突っ込んだ加持にその声は届かない。

「ヒンリろバカぁ!アラシがにゃいたりまみゃえるろはヒンリにょみゃえらけらにょりぃ」
訳(シンジのバカぁ!アタシが泣いたり甘えるのはシンジの前だけなのにぃ)

訳したとしても、今現在の流れとは関係のない事を言って泣き出すアスカ。
そしてシンジに抱きついてくる。

「ふえぇぇ〜ん、ひっく」

「ア、アスカ。(何だか解らないけど)ごめん。だから泣かないで。ね?」

「ぐすっ、きょおじゅっとアラシろしょばにいてきゅれる?」
訳(ぐすっ、今日ずっとアタシの側に居てくれる?)

「うん、分かった。アスカの側に居るよ。だからもう泣かないで」

うーん、何故シンジがアスカの言ってる事が分かるのか?まっいいか。

「うんっ、もう泣かない!じゃあ飲もう、シンジ!」

「ア、アスカ?もしかして演技だったの?」

「うん、ごめんねシンジ。怒ってる?」

少し申し分けなさそうに舌を出しながら言うアスカは可愛かった。
シンジはそう思い、怒る気など毛頭なかった。

「ううん、怒ってないよ。アスカ」

「よかった……シンジに嫌われたらアタシ……」

「嫌いになんてならないよ。僕は、その、アスカが……好き……だから……」

「……嬉しい。嬉しいよぉ、シンジぃ」

ゴッツいい雰囲気で抱き合う二人。

しかしこのSSは只のラブコメではない。

このSSはラブラブ&デストロイなんじゃぁぁぁぁぁぁ!!



メリメリメリ、コキッ、ギリギリ

不気味な音が、良い雰囲気の二人の耳に響く。
音の発生源に目を向けると、そこには地獄……それしか言葉はなかった。



「どわぁ〜はははははぁぁぁ!!
 飲め!飲め!!もっと飲め!!!
  ぐわぁっはははははぁぁぁ!!!!」

そう、酔いどれ天使が降臨したのだ!

あの不気味な音は、酔いどれ天使が日向にアイアンクローをしている音だ。
あのフリッツ・フォン・エリックを彷彿させる、完璧なアイアンクローだった。

「……ぐ……はあ……か……かつ……ら……ぎ……さん………ぐあっ」

「くぅぉらぁ眼鏡星人!もっと飲まんかぁ!おい!なんか言え!」

絶命寸前の日向に無茶苦茶な事を言うミサト。

「ひゅ、日向さん………」

「………殺されるわよ、アイツ………」

心配はするが、止めない二人であった。(「「巻き添えを食らうのは嫌だ」」)

「なぁ〜に黙ってるのよう。なんか喋んないと、こうだぞ♪」

口調だけは可愛らしいが、アイアンクローをしたまま壁に後頭部を叩き付ける。

バキャ!!

ズルズルと壁に寄り添いながら崩れる日向。

「マ、マコト!!」

「あらぁ、眼鏡星人もう酔い潰れたのぉ?だっらしないわねぇ〜。
 んじゃロン毛星人、次はお前だ。飲め!ほら飲め!!」

「ちょ、ちょっと葛城さん、いやさ葛城三佐!!
 勘弁して下さいよ。もう、マジで冗談キツイっスよ、葛城三佐」

一升瓶を片手に、青葉に接近するミサト。

「ぬわぁにぃ、私の酒が飲めねえってのか? おぅこらぁ」

ミサトは電光石火の速さで青葉の腹にストマッククローをブチかます。
モノ凄い握力で掴まれる青葉の腹。

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

葛城家に絶叫が響く。

そんなミサトを見てマヤが呟いた。

「……エヴァンゲリオン酒豪鬼……おえぇぇぇぇ……」

マヤが気持ち悪くなったのは単に酒のせいである。

だがしかし、そんなマヤにも危機が迫っていた。

「…フフフ……マヤ、実験室にいくわよ」

「……えっ? じ、実験室……ですか?」

音もなく背後に回り込んでいたリツコが無情に囁く。

「ええ、そうよ。額に「」という字を付けるのよ……」

「……「」?……先輩、分かりません!何故「」なんですか!?」

リツコはこれ以上無い邪悪な笑みを浮かべる。

「……ラ○メンマンよ。……マヤ、あなたはラー○ンマンになるのよぉ!!!
 そして、焼けた砂に手刀をするのよぉぉぉ!!!!フハハハハァァァ!!!!!」

リツコはマヤの腕を万力のような握力で掴み、強引に連れ出していく。

「い、いやぁぁぁぁ!! 先輩、やめて下さい!! 先輩!!!」

「フフフ……怖いの?安心して。すぐ済むわよ……フヒヒヒヒ」

「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

マヤの悲痛な絶叫が遠くなり、二人は消えていった。

「許して下さい、マヤさん。僕はまだ改造されたくないんです」

気配を殺して事態を見守っていたシンジの懺悔だった。

「シンジ、アタシも同じよ。誰もアタシ達を責める事はできないわ」

「そうだね。でも、まだミサトさんが………」

ミサトは青葉の腹を掴んだまま、圧倒的なパワーで真上に持ち上げている。

例えるなら人間タケコプターだ。

青葉は気絶してるのか、死んでいるのか、泡をふいている。
ここまでいくと、もはや人間ではない。

ミサトは動かなくなった青葉に飽きたのか、ポイッっと壁に放り投げる。
激突する青葉はピクピクしていた。

そして遂にシンジ達に的を絞ってきた。

「しぃぃぃんちゅわぁぁぁぁん、ぅあぁぁぁぁすくわぁぁぁぁ
 二人とも仲良く飲んでるじゃない。私も仲間にいれなさぁぁぁい」

さながらゾンビのように、ユラリと近づいてくるミサト。


((殺される))


二人はそう思った。(マジで)

「ミサトさん、すいません」

シンジは素早くミサトの背後にまわる。
そして首筋に、素早く当て身を喰らわせた。

「ま、まだ……飲み……足り……な……い……」

そう言うとミサトは眠るように落ちていった。

「ふぅ。シンジ、助かったわ。ありがと」

「うん、僕も死にたくないしね。何よりアスカを守りたいから」

「……シンジぃ。嬉しいよぉ」

無数の屍の中、いい雰囲気の二人。


………だったのだが………


「………酒………もっと………欲しい………」

そこには作者にすら忘れられていたレイが、一升瓶を片手に立っていた。

「あ、綾波ぃ! 顔、真っ赤だよ。 酔ってるんじゃない?」

「ファースト! アンタ目が据わってるわよ。 もう飲むのやめなさい!!」

その時、加持が(運悪く)目を覚ましたようだ。

「う、うぅーん」

するとレイが、加持が起き上がる前に跨った。
うつ伏せに倒れている加持の顎にそっと手を伸ばすレイ。

「な、なんだ?おい、レイか?」

レイは顎をしっかりと捕らえた手を思いきり引き上げる。
キャメルクラッチだ。

「………酒………お酒………もっと………ウケッ………」

「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

バキバキバキッ!!

轟音と共に背中がしなり、骨の砕ける音が響きわたる。

「「か、加持さん!!」」

「………ムキャッ、ムキャッ、ムキャキャッ………」

「……………………………………………………………」

加持はもう一度、死の世界を覗いた。

「あ、綾波。なんてことを………」

「……ファースト……アンタ……」

「……お酒……お酒は何処?」

天井に視線を向けて呟くレイ。
フラフラと千鳥足で歩いてる。

「………あ、綾波。お、お酒なら酒屋にあるよ」

「(ちょ、ちょっとシンジ。この時間酒屋なんて開いてないわよ)」

小声でシンジに問い掛けるアスカ。

「(でも、ここにはもう日本酒残ってないし、こう言うしかないよ)」

「(そうね。それに未成年だから補導されるかもしれないわね)」(ニヤリ)

「………酒屋……そこに在るのね……お酒さんが……」

千鳥足でベランダに向かうレイ。不気味な程に微笑んでいる。

「……酒……ウケッ……酒……ウケケッ……酒……ムキャキャッ……さけっ!!」

『さけっ!!』と共に、かなり強力なATフィールドを展開するレイ。
その衝撃波に吹っ飛ばされ、再度壁に激突する屍日向、屍青葉。
気絶してるので痛みは感じないのだろうが、憐れである。

「あ、綾波ぃ!!飛んでいっちゃ駄目だよ!!」

「コラー、ファースト!!玄関から出て行きなさいよ!!」

混乱からか、レイが飛べる事に疑問を抱かない二人。

「………酒!酒!酒!!酒!!酒!!!酒!!!酒!!!!
 ウケケケケケケェェェ!!ムゥキャキャキャキャァァァァ!!!」

狂気の笑みを浮かべ、飛び去っていくレイ。

後に残されたのは、無数の屍達と、シンジ、アスカの二人だけだった。

今起きた事は忘れた方がいい、そう思ったアスカが口を開く。

「ね、ねえ、シンジぃ。カルアミルク、まだ残ってるんでしょ?」

「うん。原液も牛乳もまだ沢山あるよ」

「じゃ、じゃあさ。ア、アタシの部屋で飲まない?」

顔を真っ赤にしてアスカが言う。

「え?えーと、その」

「い、いいじゃない、あれ以来……い、一緒に寝てるんだし……」

#1の一件以来、一緒に寝るのが当たり前になっているようだ。
(別に凄い事をしてるワケではないようだが。)

「……そうだね。それに約束したから……」

「約束?」

「今日ずっとアスカの側に居るって約束したから……」

「シンジ、さっきの憶えててくれたんだ……嬉しいよシンジ……」

「……それに、僕の側にも居て欲しいんだ……アスカに……」

「………シンジ………嬉しいよ………嬉しいよぉシンジぃ」

シンジの胸に飛び込むアスカ。
シンジも強く抱きしめる。

「だから飲もうよ。二人で」

「うん、二人で」

グラスを持ってアスカの部屋に消えていく二人であったとさ。


おしまい



後書きという名のお詫び2002。

プロレスラーは、本当は強いんです!

by 桜庭和志


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