久々のPCDJ自由研究の巻。
先日のHardonize終了直後に
みさきちが「ここにさー、捨て値で売ってたUSBとMIDIの変換ケーブルあるんだけどさー、これでDJM-800をMIDIコンにして音をSEND/RETURN使って入れるの面白くね?ちょっと家のでやってみて」という提案をしてきたので「何それ面白そう」という事でケーブル1本預かって来ました。
『「155」MIDIインターフェース 1系統入出力 USBバスパワー対応-525550』という、どこからどこまでが名前なんだかわからない、それはそれは普通のUSB-MIDIケーブルなわけですが、今回はこれを使います。SEND/RETURNを使い、DJM-800をMIDIコン扱いするメリットとは何か?
・機材が減る
・ch1〜4までのLINE/PHONOを使わないので入力に余裕が出る
・交代時に間違って別の機材のケーブルを抜く心配があんまりない
・別途MIDIコンが不要だし4chミックスに最適のコントローラだ(当たり前)
・DJM-800/900両方で使える手だから、まぁ使用可能範囲(ハコ)は広いだろう
(というかDJM-800を900っぽく使える手ってことだよなコレ…)
デメリットもあったのだけれども後で書きます。とりあえずTRAKTORの設定から。普段はバイナルコントロールでExternelMixerとして使用しているので、それをInternalにします。おいらはAudio8DJを持っているのでマスターアウトをOUT5/6にして、モニタリングをOUT7/8に回してAudio8DJのヘッドホンコネクタでモニタ出来るようにする。これでAudio8DJとしてはLINE1本で全ての音声を出力することに。んで次はデッキ構成。折角なので4deckフルに使えるように設定してしまいましょう。MIDIコン使って現場でMIXしている人は大体同じような設定になるんじゃなかろうか。

Output Routingの設定画面

Decksの設定画面
さて次にDJM-800をMIDIコンとして使う設定。USB-MIDIケーブルでDJM-800のMIDI-OUTとPCのUSBポートを繋いでおくと、GenericMIDIの項目から「USB MIDI Cable」というのが選べるようになるので、今回はここにキーアサインをしていくことにします。別途ナノコンも持っているのでその項目も見えるけど主旨と違うので今回は無関係ということで。アサイン時にDJM-800のツマミやらボタンやら押す度にMIDI信号を検出してピコピコと画面に出るのがちょっと不思議な気分。今回は実験なので、最低限必要と思われるボリュームフェーダー(縦フェーダー)とHIGH-MID-LOWの3バンド分のEQ、ゲイン、モニタキューをアサインしていく。MODEは全てDirectでいいみたい。最後のBeatSyncが割当たっているのはFADER STARTという、DJM-800の中でダントツに使われていない哀れなボタンが4つあるのでとりあえずアサインしてみたもの。CUEでもPLAYでも適当に割り当てるといいんじゃないかな。DJM-800は全ての操作をするには明らかにボタンが足りないので(その点でX1は偉大だね)曲のローディング、再生、Syncその他もろもろのキーはPCのキーボードを使うようにしましょう。

MIDIデバイスの選択画面

DJM-800使ってざっくりアサインした結果
TRAKTORの設定はこれで終わり、あとはハードウェアの配線とかもろもろ。まずAudio8DJのOUT5/6に繋いだ赤白のLINE出力はピンプラグ→標準プラグに変換をかましてDJM-800裏側のRETURN端子に突っ込みます。変換コネクタは2個要るよ。先程も書いたけどUSB-MIDIケーブルのMIDI-IN側をDJM-800のMIDI-OUTに突っ込む。間違えてMIDI-OUT側のケーブルを入れないように注意(1回やった)Audio8DJ側はヘッドホン端子にヘッドホンを装着し、CHANNEL C(OUT5/6)にケーブルが入っていればOK。写真では更に左にごちゃごちゃささっているが、これはバイナルコントロール用なので無視して下さい。

DJM-800の裏側配線

Audio8DJ側の配線
んで最重要!RETURN端子にAudio8DJの出力を入れているので、エフェクトでSND/RTNを選んでオンにしないと音が出ません!当たり前ですけども。つまりプレイ中はDJM-800のビートエフェクトは使えません。カラーエディットなら使えるので、TRAKTOR内蔵のエフェクトとそれでプレイに彩りを出しましょうということ。LEVEL/DEPTHで入力された音の音量を調節します。パラメータはそんだけ。んでもう1つ重要なのがエフェクトのチャンネル選択。RETURNに突っ込んだ音をどのチャンネルに出すかということで、ch1〜4やMASTERを選ぶと排他になってしまいます。つまり他の人からの引き継ぎや、次の人への交代が面倒くさい事に。とりあえず最適解はCF.AかBを選んでクロスフェーダーを全部THRUにしてしまうこと。これでch1〜4に繋いだ機器の出力と、RETURNに入れた出力が共存可能です。

こんな感じで固定しておく

するとモニタはこんな感じになる
例えば前の人がch1か2で最後の曲を鳴らしながら「ハイ終わり後よろしくー」ってなったらまずクロスフェーダを全THRUにしてチャンネルをCF.AかBにして、エフェクトをSND/RTNに変更する。LEVEL/DEPTH(=音量)は最初9時〜10時方向くらいにしておいて後で出しながら調整するとして、これで準備完了。DECK B辺りから始めるようにすれば混乱も少ないかと。ch3か4で出してればDECK Aからスタート、みたいな感じで。
デメリットとして、特に致命的なものは無いけれどもDJM-800にはボタンが少ないので、おそらくキーボードはフル活用するようになるはず。ソレ専用にnanoPadみたいなMIDIコンを用意するって手もあるけど何となく本末転倒な気がするがまぁ自由。ミキサーのエフェクトが使えなくなるのもデメリットと言えなくもない。まぁ4chミックスやってりゃエフェクトで遊ぶ暇もあんまり無い気がするけど…
あと今回は折角USB-MIDIケーブルがあったのでDJM-800とPCをそれで繋いだけども、Audio8DJにはMIDI端子があるのでDJM-800とAudio8DJをMIDI-MIDIケーブルで繋いだら更に配線は減ります。キーアサイン時のデバイスでGenericMIDIの中にAudio8DJがあるのでそれを選べば全く同じ事が出来るはず。ウチにはMIDI-MIDIケーブルが無いのでやらなかったけども。PCとAudio8DJとDJM-800という構成で済んじゃうのは大きいですね。配線も荷物も減るのはいい事ですね…ということで本日の実験終了。